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Event Reports

Oct 25, 2016

innotalk report「つくりつづけるために、かわりつづける。」バスキュール馬場鑑平さん

2016年度第6回イノトーク
バスキュール クリエイティブ・ディレクター馬場鑑平氏
2016年9月29日開催

innotalk

「もう(参加者に)喋っていただけたら良いので」。第6回イノトークはそんな飄々とした語り口からはじまりました。スピーカーは株式会社バスキュールのクリエイティブディレクター、馬場鑑平さんです。
「何が一番格好いいかはどんどん変わっていく」を強く実感し、自身も変化しながら走り続ける馬場さん。彼と共にクリエイティブ業界の10年を駆け抜けました。

バスキュールは、ウェブを中心にテクノロジーの力を使ってコミュニケーションをデザインする企業です。馬場さんはエンジニアとして入社し、現在はクリエイティブディレクターとして活動しています。

ウェブ業界における価値基準はこの10年で目まぐるしく変化している、と馬場さんは指摘します。
10年前はウェブのウィンドウの中がインターネットの花道。エンジニアはこぞってウェブ表現の可能性を追求し、逆に新しい表現を作り出せば注目が集まりました。馬場さんはこの頃、工夫を凝らしたゲーム等を数多く作り活躍しました。

しかし 2010年になるとWeb自体をとりたてて話題にする人も減り、SNSが台頭。バーチャルよりもリアルの世界に面白い仕掛けを施し、人と人を繋ぐルールを構築することが求められるようになります。
代表的な馬場さんの企画が「galaxy SⅡ space balloon project」(2011)です。バルーンに乗ったGALAXY SⅡが上空3万メートルまで上昇しながらライブ中継し、SNSで集めた人々のメッセージを宇宙に表示しました。

そして2016年。ウェブはコモディティ化し、もはや一つのツールでしかありません。現在は、誰にどんなメッセージを伝えるかをまず考えるべきだと馬場さんは言います。2014年に始まった次世代クリエイター育成学校「BAPA」には「作る楽しさ、新しいことを獲得する楽しさを共有し、ファンになってほしい」というメッセージが込められています。

クリエイティブの世界で活躍し続ける人はほんの一握り。会社も人も変化する中でどうやって作り続けるか、それは馬場さんをはじめ全てのクリエイティブ業界で働く人が向き合い続ける問いでしょう。
一番しんどいのはモチベーションを長く保ち続けること、と馬場さんは話しました。他人のやりたいことを請け負うだけの人間は残れない。その仕事は自分がやりたいことか、自分自身がトリガーとなっているかが大切だ、と馬場さんは結びました。

馬場さんの計らいで最初からQ&Aまで参加者とのやりとりが起き、終始なごやかな雰囲気のトークとなりました。「ムラっ気を言える立場にない」クリエイターとして、クライアントの要求と根本の課題を正確に理解しつつ自分もやり切れる覚悟を持てるような、双方に納得のいく提案をするという姿勢には現代の職人のような自負を感じ、印象に残りました。

i.school2015年度修了生
小林実可子


馬場鑑平さん

1976年大分県生まれ。慶応大学総合政策学部卒業後、2002年バスキュールにプログラマとして入社。2010年クリエイティブディレクターに転身。広告、アトラクションイベント、教育、アートなど、様々な領域のインタラクティブコンテンツの企画制作に携わる。近作はトヨタ「TOYOTOWN」一連のデジタル施策、タブレットの上で動く知育ロボット「TABO」、文部科学省の子供向けプログラミングコンテンツ「プログラミン」、東京の都市模型にプロジェクションマッピング「TOKYO CITY SYMPHONY」、プラントハンター西畠清順のインタラクティブ映像図鑑「THE SECRET GARDEN」。エルメスのデジタルクリスマスキャンペーン「エルメスの旅するオルゴール」。クリエイターを育てる学校「BAPA」など。

このイベントの告知ページはこちらからご覧いただけます。
http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/programs/seminar/innotalk_06_16/

*イノトーク(innovation talk)は小人数で密度の濃いディスカッションを実現するi.schoolの非公開イベントです。

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