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Event Reports

Nov 11, 2015

innotalk report「大企業ならではの手法でスタートアップを生み出すために ~ソニーの新規事業創出プログラム『Seed Acceleration Program』の取り組みについて~」

2015年度第7回イノトーク
ソニー株式会社小田島伸至氏、田中章愛氏
2015年10月30日開催

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「日本の大企業ではイノベーションを起こしづらい」。
そんな声を打ち消すように、今次々と革新的な製品を世に送り出す企業があります。
第7回イノトークのスピーカーは、ソニー株式会社の小田島伸至さんと田中章愛さん。ソニーの新規事業創出プロジェクト「Seed Acceleration Program(SAP)」の取り組みについてお話を伺いました。

最初にお話いただいたのは小田島さん。小田島さんはソニーでデバイス営業部に所属、デンマークでの新市場開拓を経て本社の事業戦略部門に配属されました。本社で感じたのは「既存の枠組みの改善だけでなく新しい取り組みをもっと行うべきでは」ということ。その思いから生まれたプロジェクトが、SAPでした。
スピード感を保つための社長直轄の組織体制。事業の全体感を養うトレーニング機会。社員間の壁をなくすオンライン上のコミュニティ……。SAPでは日本の大企業が陥りやすい問題が一つ一つ解決されていきます。
小田島さんの説明とともに、SAPで事業化されたプロジェクトが次々とスライドに映し出されました。ブロック形状の電子タグとアプリを使い、モノに様々な機能を付加できる「MESH Project」。文字盤とベルトの柄を簡単に変えられる電子ペーパーの腕時計「FES watch」。今や有名な製品に、会場からは感嘆の声が。

続いて、エンジニアの田中さん。自身の新規事業への挑戦経験を「本業/放課後」という軸でお話しくださいました。
放課後とは、業務外の時間を使い自分の腕を磨くための実験の時間。田中さんは、知人デザイナーとコンビを組んで放課後を使って様々なものを生み出してきました。2014年にグッドデザイン賞を受賞した世界最小級のARDUINO互換機「8pino」も田中さんらの作品の一つです。
事業の端から端まで本気でやってみてはじめて分かること、感じる快感がある。その快感を知る田中さんの次の目標は、イノベーションに携わるコミュニティとそれを支えるプラットフォームをぐるぐると回せる、イノベーションのエコシステムを作ることです。
モノを巻き込んだイノベーションはこれからがチャンス。田中さんは参加者にそんなエールを送りました。

次々繰り出されるソニーのイノベーティブな事例、そして保守的になりがちな大企業でイノベーションを起こせるという期待感に、参加者の興奮もひとしお。質疑応答のあとの懇親会でも活発に議論が交わされ、会場のあちこちでイノベーションの火花が散るのが見えるような気がしました。

i.school2015年度通年生
小林実可子


小田島伸至(おだしましんじ)さん

2001年東京大学工学部卒業後、同年よりソニー(株)入社、デバイス営業へ配属。2007年-2011年デバイス営業としてデンマークへ海外赴任。液晶ディスプレイ販売を担当し、ゼロから事業を立ち上げ、売上数百億円まで拡大させる。2012年に帰国後、本社の事業戦略部門に配属。本社戦略スタッフとして中期計画の立案や経営会議の運営に携わる。その際、ソニーのイノベーション力向上に向け、若手や中堅社員を巻き込みボトムアップで新規事業創出を促す社長直轄のプラットフォームの構築とプログラム(Seed Acceleration Program)を立案。
2015年現在、新規事業創出部の担当部長として、イノベーションを創発するエコシステムの企画推進や、新規案件の事業化支援を先導する。Qrio株式会社※1とエアロセンス株式会社※2の取締役として事業経営に携わる。
※1:スマートロック事業を行うWiLとソニーの合弁会社
※2:自律型無人航空機とクラウドサービスを組み合わせた 産業用ソリューションを提供するソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社と株式会社ZMPの合弁会社

田中章愛(たなかあきちか)さん

2006年筑波大学大学院修了、同年よりソニー(株)入社.2013年-2014年スタンフォード大学訪問研究員。
機械・メカトロニクスエンジニアとして協働型ロボットやエンターテイメントロボットの研究開発や留学での研究活動を経て、2014年より新規事業創出プログラムSony Seed Acceleration Programの立ち上げ・運営に携わり、共創スペースCreative Loungeの企画運営やハードウェア製品のプロトタイピング・商品化・事業化に従事する。放課後には個人でのものづくりとして友人と始めたデザインユニットVITROでの作品発表や品川のモノづくりコミュニティ品モノラボの運営を通じ共創型モノづくりを追及している。ASIA Award Young Creator 2013、Good Design Award 2014 Best 100受賞。

このイベントの告知ページはこちらからご覧いただけます。
http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/programs/seminar/innotalk_7_2015/

*イノトーク(innovation talk)は小人数で密度の濃いディスカッションを実現するi.schoolの非公開イベントです。

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